あなたはツルハシ売り?それとも金鉱掘り?(その1)

こんにちは。

いかがお過ごしですか。

最近YouTubeなので「ツルハシ売り」という言葉が頻繁に聞こえてきます。

「ツルハシ売り」とは何でしょうか?

今日から2回に分けて「あなたはツルハシ売り?金鉱掘り?」というタイトルで「ツルハシ売り」について解説します。

ゴールドラッシュで大成功した人たち

アメリカのゴールドラッシュ

アメリカのゴールドラッシュといえば誰でも一度は話を聞いたことがあると思います。

1948年にカリフォルニア州のサンフランシスコで金が川底で見つかったことから、噂はたちまち広まり、アメリカ中から20万人とも30万人とも言われる人が、サンフランシスコへ金を採掘するために殺到しました。

1949年にたくさんの金目当ての人たちが集まったので、このような人たちを49ers(フォーティナイナーズ)というそうです。

今ではカリフォルニアはアメリカ西海岸の風光明媚な場所であり、またサンフランシスコ、ロスアンジェルスなどの大都市やシリコンバレーなどもああります。

特にシリコンバレーはITを中心に新技術の発信地になっています。

地の果てサンフランシスコ

当時のアメリカ人にとってはサンフランシスコは東海岸から3200kmもありまさに地の果て、簡単に行くことができない場所でした。

東海岸からサンフランシスコへ行くためには、飛行機などはありませんから陸路か海路となります。

陸路の場合は徒歩か馬車で、海路の場合は南米最南端を回るか、パナマまで行き陸路で横断して太平洋を北上するしかありませんでした。

陸路の場合、途中で盗賊に襲われる可能性もあり、そして最後の数100kmは水が一滴もない地帯を踏破する必要もありで困難を極めたそうです。

当然、金の採掘道具を東海岸から持参するわけには行かず、現地で調達するしかありませんでした。

ゴールドラッシュ以前には1万4000人の人口だった場所に、わずか数年のうちに25万人の人が金鉱掘りの生活を始めればどうなるでしょうか。

採掘道具は不足します。そしてそれだけではなく生活必需品も不足します。物価は暴騰しました。

金を採掘しなくても大儲けをした人々がいました。

ツルハシを売る人々

ツルハシ、つまり、金を採掘する人たちに道具や生活必需品を売って大儲けした人々がいました。

彼らが「ツルハシ売り」です。

雑貨屋 サム・ブラナン

サム・ブラナンという人は、金発見のニュースを知った途端、西海岸にある全てのシャベルと斧と金桶、テントなどを買い漁りました。

そして、サンフランシスコの通りを「金が発見された」と叫びながら走り回ったそうです。

彼は20セントで仕入れた金桶を15ドル(75倍!)で売ったそうです。

 

ズボン屋 リーバイ・ストラウス

次に成功した人が、リーバイ・ストラウスでした。

リーバイ・ストラウスもゴールドラッシュの話を聞き、カリフォルニアへ移動した一人でした。

しかし、彼は金鉱を掘りませんでした。その代わり小さな衣料品店を開いて衣料や雑貨の販売を始めたのです。

彼は金鉱掘りからズボンがすぐに破れて困るという話を聞き、テント地でズボンを作ってみました。このズボンが大ヒットしたのです。

そのズボンが現在のジーンズであり、彼が起こした会社は「リーバイス」です。

鉄道王 リーランド・スタンフォード

そして、もっとも有名で後世に名を残した人がリーランド・スタンフォードでです。

リーランド・スタンフォードは三人の仲間とともに大陸横断鉄道を作りました。彼の鉄道事業は大当たりして、大金持ちになったのです。

そしてスタンフォードが創設したのがスタンフォード大学です。

スタンフォード大学の卒業生たちがシリコンバレーの数々のIT起業を創設して現在にいたることは皆さんもご存知のことかと思います。

Googleの創業者のラリーペイジ、セルゲイブリン、ネットワーク機器のシスコシステムズを創業したレオナード・ボザック、サンドラ・ラーナーもスタンフォード大学の卒業生です。

そのほか、ウイリアムヒューレット(ヒューレットパッカード創業者)、スコットマクネリ(サンマイクロシステムズ創業者)などキラ星のごとく多くの有名人がいます。

マイニング ザ マイナーズ

金鉱を掘る人をターゲットにする

簡単ですが、以上が「ツルハシ売り」の話です。

このような「ツルハシ売り」のビジネスモデルを特に「マイニングザマイナーズ」(金鉱掘りを掘り出す)と言います。

金鉱を掘るのではなく、金鉱を掘る人をターゲットにビジネスをすることです。

これらのストーリーは、20世紀を代表する伝記作家のシュテファン・ツヴァイクの「人類の星の時間」という短編集に収められています。

また、最近では「アメリカ型成功者の物語」野口悠紀雄著 新潮文庫で詳しく紹介されています。

「アメリカ型成功者の物語」は現在の視点で当時を見て、共通する真理をといているので大変参考になります。

一読をお勧めします。

イケハヤさんは現代のサム・ブラナン?

余談になりますが、雑貨屋サム・ブラナンは自分の商売を繁盛させるために、「金が発見された」と街で叫び続けました。

現在、トップインフルエンサーのイケハヤさんが、YouTubeで「これからは動画の時代、みんなで動画を始めよう!」と毎日のように言っています。

イケハヤさんは金鉱堀でもありますが、ツルハシ売りでもあります。

イケハヤさんが言っていることは間違ってはいませんせんが、このイケハヤさんの発言の趣旨は頭の片隅においておいたほうが良さそうです。

まとめ

今日は「ツルハシ売り」と「金鉱掘り」について紹介いたしました。

現代のビジネス環境の変化は激しく、170年前のアメリカのビジネス手法がそのまま参考になるのか疑問に持たれる方も多いとは思います。

しかし、現代でも「ツルハシ売り」で大成功している人が多数います。

次回は、現代の「ツルハシ売り」について、そして「ツルハシ売り」か「金鉱ほり」どちらを目指すべきか、私の考えをご紹介いたします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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