バイトテロはテロイズム? バカッターはテロリスト?
こんにちは。いかがお過ごしですか。
今日は最近頻発する「バイトテロ」は「テロイズム」?、起こした「バカッター」は「テロリスト」?ということで書きます。
私はこの問題が再発する一因として「バイトテロ」という言葉の使い方が良くないと思っています。
バイトテロとは
いわゆる「バイトテロ」
いわゆる「バイトテロ」とは飲食店などでアルバイトの従業員が、お店にとって不適切な画像や動画をSNSへ投稿して炎上することです。
アルバイト従業員が、お店や運営している会社に大きなダメージを与えることことからこの言葉が使用されているようです。
このような事象は世界中で発生しています。
日本では2013年に高知県内のローソンで店員がアイスケースに入り込んで寝そべっている写真をアップしたことが最初のようです。
若者がやることが多いので、こういう若者を「バカッター」ともいうそうです。
何かかわいそうですね。
大きな社会的なダメージ
「バイトテロ」が発生すると、その店が閉店に追い込まれたり、会社の株価が下がったりして、経営者や会社に多額の損失が発生しています。
当事者にとって「バカな若者がやった」ではすまされません。
そして、2019年の今もまた頻発しています。
無添くら寿司、ビッグエコー、セブンイレブンさんなどで発生して社会問題化、有名なブロガーさんやユーチューバーさんがこの事件を扱うブログやユーチューブをアップしています。
「バイトテロ」に対する意見は様々です。
アルバイト従業員を擁護する側の意見としては
- 賃金が低すぎる、
- ろくに社内教育もしていない
- 若者のなので仕方ない
などどちらかというと、お店や経営者側に責任があるというものです。
経営者側を擁護する意見としては、
- どんな状況でも仕事なのだからアルバイト従業員もルールは守るべき
- 賃金が高くても不適切行為をやる人はやる
- 世の中には一定の割合でこういう人がいるから仕方ない
などがあります。
バイトテロはテロイズムなのか?
テロイズムの定義
テロイズムとはWikiによれば、
「政治的な目的を達成するために暴力および暴力による脅迫を用いることを言う。日本語ではテロリズムを「テロ」と略し、テロリズムによる事件を「テロ事件」と呼ぶ場合が多い。またテロリズムの実施者をテロリスト(英: terrorist)と呼ぶ」
そうです。
また、アメリカ大統領令では
(i) 暴力行為、又は人命、財産若しくは施設にとって危険な行為を含む。
(ii) 次のいずれかを意図することが明らかに認められる場合
(a) 民間人を脅迫し、又は威圧すること
(b) 脅迫又は威圧により政府の政策に影響を与えること
(c) 大量破壊、暗殺、誘拐又は人質行為を行うことにより政府の行動に影響を
与えること
などと定義してます。
今回のバイトテロ事件「政治的目的」「暴力」「脅迫」など一切ありません。
飲食店の調理場での不適切な写真をSNSへ掲載したところで、政治を変えることはできないし、もちろん暴力も脅迫もありません。
アルバイトによるテロイズムだから「バイトテロ」だという言葉遣いが間違っています。
これは単なるアルバイト従業員による社内不祥事です。
議論がかみ合わない
単なる社内不祥事をテロと言ってしまうことから議論がかみ合わなくなります。
言葉の定義がきちんとされていないため、言葉と実態が合っていないのです。
「バイトテロ」がに定義通りのテロならば、まずは事件を起こした本人の人物像を探るのが第一かと思います。
本人の経歴や、育った環境、思想などです。
しかし、実態は社内不祥事ですから明らかにすべきは社内の状況です。
明らかにすべきは、どのような選考で彼らが採用されたのか、どのような社内教育を受けていたのか、組織的な統制はどうなっていたのか、給料(時給)はどのくらいだったのか、その職場でどのくらい勤めていたかなどです。
まずはこれらをきちんと調べることが、原因と対策を探ることが再発防止のプロセスではないでしょうか?
無添くら寿司、ビッグエコー、セブンイレブンなど複数の会社で発生しているのです。これらの会社の社内状況が同一とは考えられません。
それにも関わらず、本人が悪い、会社が悪い、社会が悪いというのですからまとまりません。
この観点から、無添くら寿司さんは提訴は「一石を投じる」ためと言っていますが、本当に一石を投じることができるのか少々疑問です。
「バイトテロ」という言葉からは本質には近づけない
以上ののように「バイトテロ」という言葉が独り歩きして、かみ合わない議論を呼んでいます。
新約聖書のヨハネによる福音書は「初めに言葉があった。言葉は神と共にあった。言葉は神であった。」から始まります。
それだけ人類は昔から言葉を大切にしてきたと思います。
日本でも「言葉の乱れは心の乱れ」などと言います。
先人は言葉を大切にしてきました。私たちももっと言葉を大切にしなくてはいけないのではないでしょうか。
「バイトテロ」と言っている限り、事件の本質に近づくことはなく、再発は防げません。
残念ながら同様な事件はこれからも起こるのではないでしょうか。
まとめ
私は、言葉の定義ができていないので、いくらこれらの事件が社会問題化して議論が行われても再発防止にはつながらないと考えます。
「バイトテロ」と安易に言葉を使っているからです。
誰が「バイトテロ」と言い始めたのかは分かりません。
あえて言えば、一番悪いのは「バイトテロ」という言葉を安易に使い始めた人達かもしれません。
私たちはもっと言葉を大切にすべきです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。